FDM 3Dプリンターで印刷していると、「反り」に悩まされることがあります。
印刷中にモデルの端がベッドから浮き上がって、そり返ってしまう現象です。せっかく数時間かけて印刷したのに、反りのせいで失敗…これは本当にがっかりします。
この記事では、反りの原因と対策を解説します。
反りが起きる原因
反りの原因は、シンプルに言うと「温度差」です。
FDMでは、溶けたフィラメントが200℃以上の高温でノズルから出てきます。それがベッド上で冷えて固まるとき、素材が収縮します。
上の層はまだ温かく、下の層はすでに冷えている。この温度差で収縮量に差が生まれ、端が持ち上がるのです。
特にABSは収縮率が大きいため、反りが起きやすいです。PLAは比較的反りにくい素材です。
反りを防ぐ7つの方法
1. ベッド温度を適切に設定する
ベッド温度が低すぎると、1層目の定着が弱くなります。素材ごとの推奨温度を守りましょう。
- PLA:50〜60℃
- PETG:70〜80℃
- ABS:90〜110℃
2. 1層目の印刷速度を下げる
1層目は特にゆっくり印刷しましょう。通常の50%程度の速度にすると、ベッドへの定着が良くなります。
多くのスライサーでは「初期レイヤー速度」として設定できます。20〜30mm/sがおすすめです。
3. ブリム(Brim)を使う
ブリムは、モデルの外周に薄い「つば」を追加する機能です。ベッドとの接触面積が増えるので、反りを大幅に軽減できます。
印刷後に剥がす手間はありますが、反りに悩むなら必ず使いたい機能です。
4. エンクロージャーを使う
印刷空間を密閉して、温度を均一に保つのがエンクロージャーです。ABSやASAを印刷するなら、ほぼ必須と言えます。
専用品を買わなくても、段ボールやIKEAのテーブルで自作する人も多いです。
5. ベッドの接着を改善する
ベッドへの1層目の接着力を高める方法はいくつかあります。
- のりスティック:シンプルだけど効果的。スティックのりをベッドに塗るだけ
- ヘアスプレー:ケープなどのヘアスプレーをベッドに吹きかける。PETGとの相性が良い
- 専用シート:PEIシートやビルドタックなど、定着力の高いビルドプレート
6. 部屋の温度に気をつける
冬場にエアコンの風が直接プリンターに当たると、急激な温度低下で反りやすくなります。
プリンターをエアコンの風が当たらない場所に置くだけでも、改善することがあります。
7. モデルの設計を見直す
底面が広くて薄いモデルは反りやすいです。設計を変えられる場合は、以下を試してみてください。
- 底面にフィレット(角の丸み)を追加する
- 大きなパーツは分割して印刷する
- 向きを変えて、反りやすい面を上にする
まとめ
反りは3Dプリンターの「あるある」トラブルですが、対策を知っていれば怖くありません。
まずはベッド温度の見直しとブリムの追加から試してみてください。それだけで多くの場合、反りは解消できます。

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